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長野県の山

カテゴリ:長野県の山 の記事一覧

赤岳真教寺尾根から県界尾根

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6年前の10月、真教寺尾根から赤岳、頂上小屋に泊まって、権現岳に縦走、三つ頭、天女山に下る周回コースを歩いた。紅葉が美しく、1泊2日で急峻な山岳トレッキングを満喫できるコ-スとして印象的だった。今年は気象条件が悪く、晴天が続かないため、北アルプスには行けそうもない。そこでまた真教寺尾根を登り、コンパクトに県界尾根を下りることにした。天気はまずまず。期待が高まるが、登りは赤岳に霧が湧いて、展望が利かない。そして、6年前はルンルンで登った岩稜地帯は実にきつい。ハイステップで足を振り上げ、乗り込む動作を繰り返していると、息があがる。7400歩、この程度の散策で筋肉痛が発生しそうである。やはり、岩稜地帯は老体には応える。
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ようやっと頂上に着くと、霧が湧いていたのは南だけで、権現岳から硫黄岳、天狗岳、蓼科山に至る大展望が待っていてくれた。疲れは吹っ飛び、久しぶりの山岳風景に気分は高揚する。
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宿泊はいつもの天望荘だが、今年は掃除が行き届かず、かび臭さが我慢できない状態だった。近頃、麓に泊まって日帰り登山する方がよくなってきた。夕焼けや朝焼けの醍醐味を撮影したくて山小屋に泊まるのだが、山小屋の状況がひどくなれば、我慢できなくなりそうだ。比較的快適な談話室で過ごしたが、そもそも連休や週末に泊まるのがいけない。

天水の五右衛門風呂が魅力の一つなのだが、ちょっと入る気がしなかった。
館内を歩き回ると、個室がリニュ-アルされていた。3人部屋のベッドル-ムだが、寝具も新しそうで、山小屋としては最高レベルだ。赤岳鉱泉と天望荘で2泊すれば、後期高齢者でも、八ヶ岳の核心部のトレッキングを楽しめそうだ。来年はアブの出ない7月上旬、計画したいと思う。

2日目は横岳までピストンして、天望荘に戻り、つまらない県界尾根を下る予定だ。ところが、朝から霧が発生して何も見えない。横岳で8時頃まで粘ったが、晴れるはずの霧が晴れない。9時まで待ちたいと思ったが、相棒が寒がって戻りたがる。仕方がないので帰途につき、赤岳の手前まで来たとき、霧は霧散して、北アルプスまでくっきり見える。またしても軟弱な相棒に足を引っ張られることになった。スキ-場駐車場まで19900歩。20kmの渋滞に巻き込まれて、くたくたである。これからは年齢を考えて無理のない山旅にしたいと反省した次第である。
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南相木村の山-天狗山

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今日は雲一つない快晴だ。
こんな快晴の一日、予定していた滝巡りをするよりも山に登った方がいい。
立岩湖を散策後、立岩の滝と犬ころの滝だけにして、天狗山を登るために馬越峠に向かった。
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立岩の滝
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犬ころの滝(滝見の湯のそば) 面白い名前だが、由来はあまりいい話ではなさそうだ。浅い滝なので犬ころが滝登りして遊べるなんて言うのが、ほのぼのしてよいのに。
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5年前に天狗から男山に縦走する計画を立てたことがあったが、男山まで行くと往復6時間以上かかるので、天狗山までの往復2時間のピストンにした。
登山口の立原高原キャンプ場は整備も行き届き、ログハウスも完備し、カラマツと白樺の林が美しく、展望も素晴らしい。
しかし、HPを見ると、つつじの写真があるだけでどんなところか、さっぱりわからない。営業している期間も定かではない。
せっかくログハウスを何棟も建設したというのに、これでは近い将来、利用者もなく、廃屋になってしまうだろう。
まあ、手つかずの自然が残されるのだから歓迎だが・・・・・
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天狗山からの展望は予想通り、1級品だった。南アルプスや間近に見える八ヶ岳は雪をかぶっていた。
北岳と間ノ岳
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御座山
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男山
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川上村から見た天狗山
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人生という時間が待っていてくれたら、男山まで縦走してみたいものだと思った。
八ヶ岳が間近に迫り、南アルプスや富士山も遠望できる。

南相木村の山-御座山

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カラマツの林が好きだ。6年前に登った御座山の山麓のカラマツ林が忘れられない。登山口まで車で片道4時間ぐらいかかったと思われるが、6年前は日帰りで登ってきた。南相木村の最短登山口から往復3時間半の山旅だった。日帰りはもうきついのと、宿泊施設が見つからないので、二の足を踏んでいたが、昇仙峡に寄って現地で1泊し、次の日、御座山に登るつもりで出発した。
登山口に宿泊施設ができたようで、そこに泊まるつもりだった。ところが、前日夜、電話をかけても応答がなかった。

観光地昇仙峡は行ったことがなかったし、見頃のお知らせメ-ルが来たので、即行ってみることにしたのだが、やはり、観光地のお知らせメ-ルなど信用してはならない。部分的に色づき始めた程度で見頃などとんでもない状況だった。標高差300m程度なんだから1ヶ月も見頃が継続するはずもない。浅はかだった。ここは燕温泉とは違って、典型的な観光地。4kmの渓谷に沿った道路も舗装された車道だった。有名な景勝スポットと仙娥滝だけを目的に2時間ほどうろつき、南相木村に出発することにした。
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清里を過ぎると木々は色づき、見頃を迎えていた。南相木村に入ると、ため息が出るほどのカラマツの紅葉が目に飛び込んできた。登山口に着いたのは12時前。早速、山荘に行って頼んでみたが、今からでは食材が調達できないし、素泊まりも受け入れていないからということであっさり断られてしまった。多分村営だろう。登山客など眼中にないようだった。南相木村はツツジ、シャクナゲの季節に観光客を期待し、後は釣り客でしのいでいこうと思っているようだ。紅葉時のパンフレットは一つもない。渓流釣りの地図はある。山荘にも小さな釣り堀があった。ナンセンスの極みだ。誰が、こんなところの釣り堀が目的でやってくるのだ?
そうはいっても、この素晴らしい紅葉時にも関わらず、人がいないのはありがたい。商売っ気がないので観光開発されないのはありがたい。宿泊はあきらめて、往復3時間半の登山を開始した。
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しかし、残念ながら、山頂の展望は雲の中でまったくなかった。ここは岩峰なので360度の展望は素晴らしい。特に北相木村から登ると前衛峰になる岩峰が異彩を放つ。その写真に心を奪われて6年前この山に登ったのだ。

動画を見ると、不動の滝の水量が多く、紅葉はもう終わっているのに気づく。やはり今年は秋の訪れが遅い。不動の滝の上方でも紅葉が見頃だったのはラッキ-だった。
4時前に下りてきたが、このまま帰るのはいかにも心残りだ。しかし、夜はこの秋一番の冷え込みになるということなので車中泊はしたくない。滝の湯で風呂に入り、帰るしかないと思っていた。滝の湯に向かう途中、立岩湖の紅葉が素晴らしかったので車を止めた。その湖畔に立岩荘があった。駄目もとで宿泊を頼んでみると、素泊まりOK。しかも朝食は用意できるという。これでもう一日、相木村の紅葉が楽しめることになった。

北八ヶ岳の苔むす森

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天気が不安定でうっとうしい夏がうんざりするほど長い。地球温暖化の影響か、毎年毎年異常気象が続く。北海道に3つも立て続けに台風が上陸するなど、前代未聞だ。

イライラが高じて来たので、貴重な晴れ間を利用して、涼しいところに行くことにした。
黒百合ヒュッテに泊まって天狗岳往復、大河原峠から最短コ-スで蓼科山ピストン。
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今回の狙いは白駒池周辺のコケの森。そこで出会えるのは、コケの絨毯に覆われた神秘の原生林。まだ、ここは笹に浸食されていない。柔らかいみずみずしいコケが主役のシラビソ、コメツガ、トウヒの森は大木が少なく、陽光も地面に届くので、コケの生育場所として適しているのかもしれない。中山展望地までの大石ゴロゴロの登山道両側の森も実に美しく、心癒される。
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花も咲かず、食糧にもならないコケ。何かとコケにされがちだが、生態系の維持に重要な役割を果たしていると言う。日本文化との相性も良く、女性の間でも人気で、コケガ-ルが増殖中とか・・・・。

 白駒池は紅葉の名所。季節には三脚が湖畔に並ぶが、夏の季節、ハイキング感覚でコケの森を散策できるのは日本広しと言えどもここだけだろう。

 白駒池の名は民話に由来するという。

 茅野から八ヶ岳を越えて佐久へ通ずる中山峠に、賽の河原というところがある。そこに、長者と美しい娘が住んでいた。二人は、峠を越える旅人が苦しんでいるとき、助けてやった。ところが、ふとしたことから長者が病にかかり、病気はどんどん悪くなった。「わしの命は、もう二、三日の命だ、幸せになっておくれ。」ある日、長者は娘をよんでそう言った。その時、「トントン」と、戸をしきりにたたくものがいた。一匹の白い馬が手紙をくわえて立っていた。

「わたしは、八ヶ岳に祭られている女神です。あなたの願いをきいて、命を延ばしてあげましょう。この白駒に乗って黄色い花の咲いてるところを探し、そこへ、お父さんを連れていきなさい。望みがかなっても家に戻っては行けません。同じように病気で苦しんでいる人がたくさんいます。その人たちも救ってあげなさい。」

 娘は白駒に飛び乗ると、白駒は矢のように山をかけ登り、谷を下り、崖をよじ登り、岩を飛び越え、八ヶ岳中を探し続けたが、見つからない。しかたなく、とぼとぼと引き返して硫黄岳のあたりまでくると、まばゆいほどの黄色い花が一面に咲いていた。それは硫黄の湯の花だった。さっそくお父さんを連れて来て養生させると、病気が治った。

娘は、いつまでもここに残り病気の人を救おうと思ったが、しばらく生活していると暮らしにくく、家へ帰ってしまった。ある日の夜明け、白駒がきて、娘を乗せ、林で囲まれた静かな池のほとりの大きな岩の上に立った。白駒は山中にしみこむようにいなないたかと思うと、娘を乗せたまま池の中に飛び込んで消えてしまう。それから、この池を白駒の池とよぶようになった。そして、女の人がこの池に顔を映して洗うと、たちどころに長者の娘のような美しい顔になると言う。
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1日目は12時過ぎに黒百合ヒュッテに着いたが、霧で何も見えず、天狗には翌日登ることにして、山の造詣深きヒュッテのご主人が集めたと思われる写真集を見ていた。すると、2時過ぎ、晴れ間が見えたので、東天狗岳まで行くことにする。山頂にいたのは10分ほどだったが、運よく霧が晴れ、根石岳、西天狗岳が垣間見えた。
東天狗
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天狗岳
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根石岳に至る登山道
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西天狗
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にゅう
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手前が東天狗、奥が西天狗
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白駒池
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翌日はにゅうを廻って白駒池に戻り、大河原峠へ駐車。3時間半のピストンで蓼科山に登った。将軍平から大石ゴロゴロの登山道なので、時間の割に足腰が疲れた。一番楽なのは御泉水自然園の7合目登山口からのル-トだが、平日でも駐車場は満杯になる。大河原峠まで落石の起りそうな林道であるが、紅葉の時は美しく、登山道も静かである。山頂は特異なだだっ広い岩原。360度の展望を楽しむには岩原を横切らなければならないので時間がかかる。北方以外、湧き上がる霧で何も見えなかった。
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大石ゴロゴロの成り立ちに興味が引かれた。信濃に伝わる民話が面白い。

八ヶ岳が浅間山のように、もうもうと煙をはきだしていたころ。富士山もやはり、もうもうと煙をはいていた。富士山は女の神様だが、威張ることが好きだった。いつもまわりの山に向かっては「見たところ、私が日本一高い山のようですね。…雨でも雪でも自由に降らすことができます。えへん」と、高い鼻をツーンとさせて、得意になっていた。

ある日のこと、いつものように雲の上から、「えへん。私は、日本一高いですよ。」と自慢すると、とつぜん遠くから、「日本で一番高いのはこのわしじゃ」と、野太い声が飛んできた。ーまあ失礼な。いったい誰でしょう。ー
その声がする北のかなたを見ると、雲の上へ、ちょこんと頭をだしている八ヶ岳の神様であった。「まあ、八ヶ岳の神様、なにをおっしゃるの。わたしが日本一高い山にきまっているじゃありませんか。」富士山はぐっと背伸びをした。
「いやいや、とんでもない、わたしが日本で一番高い山だ。」八ヶ岳も負けずに肩をいからしていい返した。「いいえ、わたしです」「いや、わしじゃ」富士山と八ヶ岳は、お互いに自分のほうが高いんだと言い張って一歩も引かない。いがみ合いが5年も10年も続いた。この様子をごらんになった阿弥陀如来様は、「神様同士が争いをするなんて、本当に困ったものだ。」と、妙案を考えた。富士山から八ヶ岳まで長いトイをかけて、水を流す。水は低い方に流れる。さっそくトイをかけると、水は音をたてて富士山の方に流れてしまった。富士山は怒って「そんなことがあるものか。ああ、くやしい」いきなりありったけの力で八ヶ岳山をけとばしてしまった。ガアーン!ザア、ザア、ザア、ガラ、ガラ、ガラ。
八ヶ岳は山頂から崩れ、何日も続いてやっと止まった。
それ以来、八ヶ岳は八つに裂けて、富士山より低くなったと言う。

にゅうの語源が気になったが、やはり乳かな?刈り取った稲を円錐形に高く積み上げたものを堆(ニホ)と言い、そこからきていると言う説もあるようだが・・・・
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天狗岳

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しばらく、歩いていないので、梅雨の晴れ間に丹沢でもと思っていたが、34度の高温。イメージしただけでノックダウン。
そこで、日帰りで高山は?やはり八が岳しかない。以前より唐沢鉱泉からの周回ルートをリストにあげていたが、縁なく、行きそびれていた。前夜、急に決めてカメラとレインコートだけの軽装で出かけることにした。
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展望台のある西天狗を先に登る周回ルートを取り、黒百合ヒュッテに下るコースはすり鉢池を経由するコースにした。1900mの高度から登るルートは涼しさ抜群で快適だ。展望台から以降は八ガ岳・南アルプスを眺めながらの絶景コースだ。
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mコケモモ

mツマトリソウ

久しぶりの岩稜歩きで疲れはしたが、黒百合ヒュッテまではルンルンだった。そこから唐沢鉱泉に下る、たった1:30の行程に難儀した。苔むした岩は滑りやすく、靴の中で足が動く。水ぶくれ寸前になった。今日はフクロハギの筋肉痛で階段を下りるのがつらい。
展望はなく、荒れ果てて人工物(壊れた木道や鉄板)とごったになった汚い登山道はもう二度と歩きたくない。

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唐沢鉱泉の風呂はなかなか風情がある。苔むした大きな岩のすき間にシダが育つ。3メートル近い巨岩の上から、10度の源泉が落ちる。沸かし湯がちょっとぬるめなのが残念だが、夏には良いのかもしれない。源泉池の珍しい風景は一見の価値がある。源泉の湯温が10度と低いので一面のコケが美しい。ただ、攻撃的なアブの一群に閉口した。かなりの被害が発生したが、強力ムヒの効果で痛みもかゆみも抑えることができた。
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土曜日だったので、駐車場は7:30で満杯。林道は延々と駐車場と化していた。運よく、行儀の悪い停め方をしていた若者のカップルを見つけ、寄せてもらって、駐車場に入れることができた。
山ではカラフルファッションで元気のよい声がこだまする。やはり、山には若者の姿が似合う。

圏央道を初めて使ったが、効果は抜群だった。特に帰りの渋滞をスキップできるのが嬉しい。